WANT TO と HAVE TO の間にはさまれて

WANT TO と HAVE TO の間にいます

ベトナム勤務5年目

【何はともあれ】 ベトナムに赴任して3年経過したので、これまでを振り返ってみた

12月に入り、寒波がやってきたベトナム北部

先週は30℃だったのに、今は15℃

季節と気温の変化に付いていけません。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 


今月1日で、こちらへ赴任して、丸3年が経過しました。

 

10年以上過ごしてきた営業職から、ベトナム新工場の立ち上げ、

3カ年での中国からの生産移管計画を含め、工場での管理や材料調達と

初めての海外赴任に、初めての仕事へ。

 

親会社から、

「重要プロジェクトに、たくさんの仕事」、

「駐在員で自己犠牲の日々、家族帯同は無茶」

 

たくさんのプレッシャーを受け、不安いっぱい、単身でやって来たのが、2019年の12月1日。


家族も、翌3月に引っ越してくるので、短期間の一人暮らしを楽しもう、
そして、せっかく赴任した以上、とにかく充実させよう。
そんな気持ちで、やって来ました。

 

 

sagamisaganaka.hatenablog.jp

 


ベトナム人と仕事するもの初めて、
雇用契約の際に、面接で決まったはずの給与額に対して、増額の交渉をされ、面食らいました。

 

中国工場からもらった様々な書類は、当然ながら中国語ですぐに使えないものばかり。
日本語不可のスタッフも多く、その場合は英語に置き換えることも多数。

 

困ったのは、外部の会社へ委託している財務諸表の作成は、英語のみで
ただでさえわからない会計用語が英語に置き換わり全くわからなかったこと。

Depreciation      償却
Account Receivable   売掛
Prepaid Expense      前払費用

 

sagamisaganaka.hatenablog.jp

 

 

他にも契約書はベトナム語、英語併記のため、英語を読むのですが、

判らない単語だらけ。


Probation Period    試用期間

Appendix   付属書

 

こんな内容を英語で話すので、更に混乱の連続。

 

営業職の頃に輸出や輸入は経験しましたが、特定の単語しか知らない身としては、

まさかここまで英語が必要になるとは思ってもみず、勉強しておけば

なんて嘆く日々。

 


そんな四苦八苦の最中に発生したCOVID-19、
あらゆることが計画通りに進まなくなりました。


出張者は誰も来れない、中国からの生産設備も来ない、生産が出来ない、

様々な課題、誰に頼ればいいのかわからない、不安な気持ち、
やたらと増えたZOOMミーティング。

 


もちろん、家族の渡越は延期。

 

ベトナム政府による、首相指示16号(ロックダウンに近い) で、

万一感染した場合、郊外にある「熱帯病病院」へ送り込まれる

と聞き、

 

とにかく体調万全を意識し、あちこちで品薄のマスクも、日本から持ってきたものを

何回も使うことに。

 

 

色々不安な気持ちを癒してくれたのは、日本から持ち込んだ自転車でした。

路面は悪いものの平坦でバイクが多いせいか、交通の流れがゆったりとしていて、

当時閑散としていたハノイ市内を走るのに、自転車はなかなか便利で、

あちこち出掛けました。

 

 

sagamisaganaka.hatenablog.jp

 


仕事の方は、COVID-19により、当初計画の生産量に対して1/5まで下がりましたが、
それでも未経験の仕事だらけ、混乱しつつも、新しい従業員と共に、製品を製造、出荷していきました。
(ちなみに日本向けの電化製品です)

 

自転車に乗ったりしていて、気が紛れたのか、


ふと思いついたのが、、イライラしても怒らないこと。

怒ったところで、何ももたらさない。

怒りは無謀をもって始まり、後悔をもって終わる。

 

のんびりしているベトナム人と仕事しているうちに、

彼らのマイペースさにイライラすることを通り越して、こんな気持ちが芽生えました。

 

 

sagamisaganaka.hatenablog.jp

 


想定以上に長くなった一人暮らし、ベトナム語を習い始めたり、

ゴルフへ出かけたり、そこそこ満喫した一方、

厳しい入国規制を行っているベトナム

長い隔離もあり、家族の渡越の目途は全く立ちません。

 


cách ly  (カックリー) 隔離  

ベトナム語を習い始めて、改めて過去に漢字が使われていたことを知ったのです。

 

 

2020年のCOVID-19、ベトナム政府による徹底的な隔離政策と入国制限で、感染者数も

死者数も少なく、

ベトナムは、トップレベルの感染抑制国となりました。

 

 


なんとか初年度を乗り越え、少しずつ自信も付いてきた最中、、驚くべきことが。

一緒に赴任してきた、上司であり、会社の社長が、うつ病で戦線離脱。

急遽、帰国となりました。

 

 

sagamisaganaka.hatenablog.jp

 

 

一人になり、不安で一杯でしたが、

そこは開き直り、発想を変え、「社長代理」になったと思いながら、

気持ちを盛り上げ、2021年が始まりました。

 

 

中国工場からの生産移管も有り、生産数量は、2020年の8倍、品種も3倍まで大きく増

え、やる事も一気に増えました。

 

 

1年遅れてやって来る、ベトナム人駐在者が夏に来るまでは、出張者で繋ぎつつも、

周りに迷惑を掛けぬよう、製造現場に入り、とにかく必死だったのを覚えています。

 

家族の渡越については、長女の学校が夏休みに入ってすぐ、ベトナムへ入国出来るよう

段取りを開始し、ようやく入国許可が取れました。

 

社長もいない中でも、なんとか進みつつある一方で、

ベトナムもCOVID-19の感染者が日増しに増加してきました。

南部の方が激しく感染者が増加し、先にロックダウン状態に、

医療水準も高くないことから、死者もどんどん増え、警察だけでなく軍までも出動し、

厳しい移動制限を掛けました。


そして、忘れもしない、2021年7月25日

北部においても、首相指示16号が再び発動され、

前回2020年4月よりも厳しく、ハノイ市と隣の省をまたぐ移動に制限が掛かり、

 

sagamisaganaka.hatenablog.jp

 


定期的なPCR検査も行われました。

鼻の中に綿棒を入れる、不快感、ずいぶんと慣れたものです。

 

この首相指示が発動されてから、2ヶ月近くを職場近くのホテルで過ごしました。

ハノイ市であれば、検問所があり、買い物に出かけるもの、書類が必要なのに対して、

隣の省はなんの制限も無く、比較的快適に過ごせたのでした。

周辺のレストランの食事が美味しくなかったことを除いては。。。

 

 


そしてこの間、厳戒態勢のベトナムに家族がやって来ました。

この時は最も厳しい、4週間の隔離が必要な時期で、

費用と差し入れのし易さ等を考えて、会社近くのホテルを予約しておりました。

 

立入制限となったハノイ市にある隔離ホテルを選んでいたら。。。

と思うと、ゾッとします。

 

 

sagamisaganaka.hatenablog.jp

 

 

ちなみに、前に会った時は、長女は7歳、次女は1歳、

久しぶりにあった娘たちは、9歳、3歳と大きくなっており、成長に驚いたものです。

ロックダウン状態のハノイ市、学校はオンラインです。

レベルの高い日本人学校の授業に付いていけず、加えて母の言うことを聞かない娘たち、

これはこれで、仕事とは異なる新しい問題です。

 

 

秋口の繁忙期、昨年から大きく増えた生産台数に身体が付いていけず、

頭痛やだるさで、病院を受診、睡眠導入剤を処方されました。

とまぁ、身体はボロボロになりながらも、なんとか乗り切ったのが

ちょうど1年前。

 

 

ここからは、仕事が閑散期に入り、少しばかりの休息に入ります。

年が明け2022年、最後に帰国してから2年が経過。

 

家族が来てからは、当然日本人コミュニティに属すことになり、

どこどこの家が3月には駐在が終了し本帰国という話を聞くと、羨ましくなったものです。

 

 

ロックダウンは緩和され、COVID-19は風土病(つまりは風邪と同様)である。

という見解がベトナム政府より出され、あちこちで感染、従業員が休むことが増えました。

幸い感染しなかったものの、従業員が休まれることで、仕事の負担が増え、困ったもの

でした。

 

sagamisaganaka.hatenablog.jp

 

 

感染を恐れ出掛けられず、何か心が疲れたのを覚えております。

それでも家族で高級ホテルに泊まったり、泊り掛けでローカル観光地へ旅行に行ったりと、
これまでとは違う過ごし方が出来るようになったのは良いことでした。

 

 

2022年の仕事は、中国工場からの生産移管で、職場であるベトナム工場への一本化がなされ、
生産数量は、昨年の2倍以上、品種は90種類と恐ろしく増えました。

製品の大きさ等もあり、正確な対比にはなりませんが、

出荷したコンテナ本数で表しますと、

 

2020年  15
2021年  75
2022年 265

 

これだけの規模拡大です。

 

 

そうなりますと、昨年よりも更に忙しくなり、

 

材料発注に誤りが無いか、

会社の資金繰りは、ワーカーが離職しないためにはどうしたら良いのか、

客先からの納期に合わせての出荷スケジュールは、、、

なかなかハードな日々が続きます。そんなせいか、ブログからも遠ざかりました。

 

sagamisaganaka.hatenablog.jp

 

 

繁忙期は、8~12月初旬まで、8月はぎっくり腰やCovid-19感染となったものの、

色々な仕事の問題もありながら、

その後は持ち直し、休みも2週間に1回の日曜日と、ワーカーホリック状態になりながら、繁忙期を乗り越えました。

 

 

仕事はきつかったのですが、

 

来年は一時帰国して楽しもうとか、

バイクを購入すると決めてから、選定から購入までの楽しい時間、

人生で一切興味の無かったゲームにはまり(マインクラフト)、夜な夜なゲームを楽しんだり、

 

sagamisaganaka.hatenablog.jp

 

 

意外とプライベートを満喫していたこと、

 

 

そして何より、英語だけでなく、チャットや片言ながらもベトナム語も使って仕事をし、
様々な従業員とコミュニケーションが取れてきた事、

エクセルやパソコン作業の効率化で、仕事のスキルアップが出来た事、

成長を感じ取ることが出来、ポジティブな気持ちになれたせいか、

 

昨年のような、睡眠導入剤に頼ることは無く、繁忙期を乗り切ることが出来ました。

 

 

 

 

そして今、忙しい時期も終わり、

久しぶりの土日休みもありました。

 

忙しさからは解放されたものの、

 

何か失敗や誤りが隠れていないか、

来年は予定通り進むのか、

従業員の離職は無いか、

 

 

等々、今は今で色々考えることが出てきます。

 

仕事のことで一杯になってしまうのは、

ベトナムだろうが、日本であろうが仕事をしている限り、

解放されることは無いのでしょうね。

 

 

【何はともあれ】ベトナムへ駐在し3年が経過、健康でここまで来れたことに感謝しつつ、

更新が滞りがちなブログに注力しようと考える、今日この頃なのでした。