WANT TO と HAVE TO の間にはさまれて

WANT TO と HAVE TO の間にいます

ベトナム勤務5年目

【無知が人を傷つける】アフリカの現状を知って

Covid-19の感染もかなり減ってきたベトナム、旅行先でもノーマスクの人がたくさん。

あの厳しいロックダウンは何だったんだろう?

と思わせるほど、変化しています。

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先月、とある日本の巨大企業の方と商談で、

その会社の海外進出について話を聞いておりました。

 

アフリカだけはまだ進出が出来ておらず、

安い人件費を求め、今後進出する計画があるとのこと。

 

ここ、ベトナムでも人件費はどんどん上昇中。

2年間、Covid-19の影響で停滞した企業がたくさんありましたが、

それでも2021-2022年にかけ、定期昇給、ベースアップ合わせ、5%前後の賃上げを

実施した企業が多くありました。

 

これが続いていくと・・・

 

企業は安い人件費を求め、別の国へと移っていきます。

 

 

アフリカへの進出という話を聞いて、ワタクシの印象は

 

この資本主義経済において、最後の楽園なんて言われているので、

紛争をしている国も未だに多いが、将来はアフリカに工場がたくさん建つのだろう。

そして今の東南アジアのようにどんどん成長していくのだろう。

ワタクシの会社もいつかは、進出するのかな。

 

 

そんなふうに思っていました。

 

 

連日のウクライナ侵攻のニュースを見ながら、

アフリカで紛争が続いている理由を考えました。

なぜ、紛争が起きているのか?

2つの本に出会いました。

 

 

www.chikumashobo.co.jp

 

shinsho.shueisha.co.jp

 

アフリカの人口は爆発的に増えており、

2050年には人口の4人に1人がアフリカの人になるそう。

 

それ位勢いがあるということですね。

 

ですが、

 

長年植民地であり、

宗主国から独立を果たしても、

石油や鉱物等の豊富な資源があっても、

 

 

腐敗した政府、

イスラム国のような、過激な武装勢力

ダイヤモンド、金等の密輸や麻薬取引、

先進国による無理な農業開発、

農地を失い、更に貧しくなった人々、

やまない紛争に多数の難民、

児童婚に少年兵、

急速な砂漠化、

 

 

様々な様子が絡まり、紛争件数はどんどん上昇、テロリストが活動する温床に、

未だに貧困から脱出するのは困難であることが、本を読んでわかりました。

 

 

最もショックだったのは、

 

2018年のノーベル平和賞を受賞された、コンゴ民主共和国

デニ・ムクウェゲ医師の言葉でした。

 

ムクウェゲ医師は、産科医で、戦場で強姦された女性を救出してきました。

 

たくさんの女性が強姦され、命を奪われました。

強姦された中には、1歳の赤ちゃんまでいたそうです。

加害者は、武装勢力だけでなく、政府軍にもいたとも指摘されており、

コンゴ政府は、消極的な姿勢を取っております。

 

以下、ムクウェゲ医師のスピーチを抜粋しました。

 

私はデニ・ムクウェゲです。この星で最も豊かな国のひとつから来ました。しかし、私の国の人々は、世界で最も貧しいのです。

 煩わしい現実があります。ゴールドやコルタン、コバルトといったあり余るほどの天然資源が、戦争や過激な暴力、絶望的な貧困の原因だという事実です。

 私たちは素敵な自動車、宝石、おもちゃが大好きです。私自身、スマートフォンを持っています。これらのものには、私たちの国で見つかった鉱物が使われています。ときには、鉱物の採掘は、子どもたちのほか、脅迫や性的暴力の被害者といった非人間的な状況下にある人たちの手で行われていることがあります。

 電気自動車を運転するとき、スマホを使ったり、宝石に見とれたりしているとき、こういったものが作られる際の人的な代償について少しだけ、思いを巡らせてみてください。

 私たちは少なくとも消費者として、こういった製品は人間の尊厳に向けられる敬意とともに作られているのだ、ということを忘れずにいましょう。

 悲劇から目を背けることは、共謀していることと同じです。

 責任を問われるのは、犯罪の実行犯だけではありません。直視しないことを選んだ人も含まれるのです。

 私の国は、「指導者になる」と訴える人々によって組織的に略奪されています。彼らの権力や富、栄光のために略奪されているのです。そういった略奪の結果として、極度の貧困にうち捨てられた無実の男性や女性、子どもたちが数百万人もいるのです。その一方で、私たちの鉱物から得られた利益は、一握りの貪欲(どんよく)な指導者たちのポケットに入っておしまいです。

 コンゴ民主共和国の人々は20年以上にわたり、国際社会が知る中で、侮辱され、虐待され、そして虐殺されてきました。

 非常に発達した通信技術が使える現代において、誰一人として「知らなかった」とは言えません。

 ノーベル平和賞の受賞により、私は世界に対して目撃者になることを呼びかけます。私たちに共通の人間性を損なわせる苦しみに終止符を打つため、私たちに加わるよう促します。

 

 

ブログ執筆で使うパソコン、日常使うスマートフォンも、

結婚指輪、あるいはプレゼントした花も、

 

もしかしたら、

アフリカで搾取された人たちの手で採取されたり、

作られているものの可能性もあります。

 

恥ずかしながら、詳しいアフリカの実状も、

ムクウェゲ医師の存在すらも知りませんでした。

 

この記事で発信したい言葉は【無知が人を傷つける】ということ。

 

 

 

ワタクシ自身、アフリカの人たちを「間接的に暴力」という形で

搾取し、傷つけているのかもしれません。

 

 

 

これは、「ワタクシ一人の力でなんとか・・・」といった次元の話ではありません、

 

しかし、少なくとも、家族、友人、仕事関係、もしアフリカの話が出てきたら

こういった実状があるということを、伝えて、自分の周りから

アフリカの悲しい現実を知らない人=無知な状態  が少しでも減るように、

努めていきたいと思いました。